「内村先生のなさった偉いことの一つは、真理としてのキリスト教の確立である。キリスト教は真理なるが故に信ずる。真理とキリスト教とどちらを取るかと言へば真理をとると言うのである。 ……私も内村先生の護尾に付して、このことを確かにしようと努力して来た」
西村茂樹先生が『日本道徳論』において、日本の道徳の基礎とせんとするものは真理であり、真理の外には天地間に一も完全無欠なるものはない。 真理は事実を基としており、事物の事実に合うものは尽く真理であり、事実に合わざるものは真理でない、と述べておられる考え方は、「事実を基とする信仰」を説く鈴木先生の考え方と共通するものがあるように思われる。
社団法人日本弘道会会長 鈴木 勲
弘道 947号